2歳と0歳の男子を子育て中のちろまめです。
先日、夕食の時間にも関わらず呼んでも全く席につこうとしないわが子に対し、食べないなら下げてしまうよ!と叱って大泣きされました。本当はいつものようにうまく声かけをして食卓に誘いたかったのですが、自分も心に余裕がなかったためか上手くいかず。
子は態度を変えることなくむしろ意固地になって席につこうとせず、ようやく落ち着いて和解できそうという頃には泣き疲れて、ご飯を食べることなく眠ってしまいました。
いつも子どものペースにしてはいけないな、うちは甘やかしすぎかな?とか、ここぞという時には毅然とした態度をとらねば、など色々考えて対応したのですが、結局中途半端になってしまいました。こういうことは息子が2歳になってからちょこちょこ起こっていますが……。
なにがいけなかったんだろう…どう接するのが正解だったんだろうと反省しながらいろいろ調べているうちに、モンテッソーリ教育なるものを発見。色々調べているうちに、目から鱗というか、自分の子どもとの向き合い方を考えさせられました。
今回は、自身の勉強もかねてモンテッソーリ教育とはどのようなものなのか、2歳児に対しどのように生かせるものなのかをご紹介したいと思います。
子育てがどうもうまくいかない…と、悩みを抱えている方がいましたら参考までにぜひ見てみてくださいね。
モンテッソーリ教育の“モンテッソーリ”とは?
モンテッソーリとは、イタリア初の女性医師であり教育家でもあった、マリア・モンテッソーリ博士のこと。彼女の考案した教育法をモンテッソーリ教育といいます。
モンテッソーリは子どもを科学的に観察し、得られた事実に基づき教材を開発するなどして教育法を確立していきました。1907年には教育施設「子どもの家」を設立。
“子どもが主人公”の教育法は現代の大脳生理学、心理学、教育学などの面からも証明され、AmazonやGoogleの創業者にオスカー俳優、マネジメント本が話題となった経営学者、藤井聡太棋士など、多くの著名人もこの教育を受けていた例が多くあります。
モンテッソーリ教育の考え方と目的とは?
モンテッソーリ教育では、「子どもは生まれながらに自身を成長させ、発達させる力を持っている」と考えられています。モンテッソーリ教育の目的は、「自立していて、有能で、責任感と他人への思いやりがあり、生涯学び続ける姿勢を持った人間を育てる」こと。保護者や教師などの大人は、「子どもの成長要求をくみ取ることが大切。子どもの自由を保証し、自発的な活動を助ける役割を果たすべき」とされています。
モンテッソーリ教育の“お仕事”とは?
モンテッソーリは、“大人の仕事が生産的労働であるならば、子どもの仕事は人間を形成すること”と述べています。大人が生きるために仕事をするように、子どもたちも自分自身を成長させ、発達していくための活動をする。この活動をモンテッソーリ教育では「お仕事」といいます。
子どもには自らを自分の力で育てていく「自己教育力」が備わっており、自分に必要な課題に取り組みます。例えば、ティッシュペーパーを全部出してしまう、なんでも自分でやりたがる、なんてことはありませんか?
大人からしたら困った行為のようですがこれらは「自己教育力」による大切な子どもたちのお仕事。彼らはその発達段階によって、自分にとって必要なことを満足するまでトレーニングしているのです。納得いくまでやり遂げると、子どもは次の課題に取り組むことができます。
モンテッソーリ教育の“子供の家”ってなに?
モンテッソーリ教育を語る際、よく登場するのが「子供の家」。1907年、ローマに誕生し、欧米を中心に世界中に広がりました。特にアメリカではモンテッソーリ・ブームが起こり、現在はアメリカの多くの学校でそのプログラムが導入されているといいます。日本には1960年代に紹介され、モンテッソーリ教育のプログラムを導入する幼稚園や子供の家が創られました。日本では教育の自由化がなされていないため、小学校以降の義務教育にはモンテッソーリ教育を取り入れることが難しいとされています。そのため乳幼児期の教育に活用されることが多くありますが、欧米などでは小学校から大学まで準備されているところもあるのだそう。
モンテッソーリ教育の“整えられた環境”とは
モンテッソーリ教育では、子ども達が自発的な活動に好きなだけ取り組むことが尊重されます。大人は子どもが自ら成長しようとするのを手伝う「援助者」。子どもの知的好奇心が自発的に現れるよう、発達段階に適した環境を整えることが大切だとされています。
また子どもの要求をくみ取り、自由を保障し、自発的な活動を援助する存在に徹しなければならないという考えを基本としています。
子どもはできないのではなく、どうやったらよいか知らないだけ。
子どもが自己教育力を発揮できるようにふさわしい環境を用意し、使い方を提示し、満足するまで繰り返しできるように配慮してあげることが大切なのだそうです。
具体的には以下のようなことが挙げられます。
★親ができるモンテッソーリ教育
・子どもが自分で活動を選べるようにする
(棚に見やすく、取りやすく置く。あらかじめひとつの活動に必要なものをトレイなどにまとめておく等)
・色や形が美しく、清潔で、本物である教具を用意する
(慎重に扱う態度が身につき、美しさに惹かれて子どもがやってみたいという気持ちになる)
・子どもの発達段階に合った教具や活動を用意する
・子どもの喜びを大人の代行で奪ってしまわないようにする。ただし、子どもが助けを必要としているタイミングは逃さないように、常に子どもを観察する
・子どもが直接、言葉で表現していない要求も含めて、子どもの要求に耳を傾け、よく聞いてあげる
・子どもの仕事を尊重する。大人の一方的な都合で子どもの仕事を中断したり、妨げたりしないように心がける
・子どもの間違いを直接的に訂正しない
(ほとんどのモンテッソーリ教具は、自分で間違いに気づいて訂正できる工夫がされている)
・子どもが仕事を始めるまでは、たゆまず仕事への誘いかけを続け、子どもが集中するようになったら暖かく見守る
・仕事が済んで快く力を出しきった子どもに対し、決して安っぽい言葉で褒めない。子どもに安らぎを与えるような言葉をかけたり、態度で示すことが大切。
上記を見るととても胸が痛い…というか、これまでの子どもへの接し方に反省させられることが多く衝撃を受けました…。
モンテッソーリ教育における“2歳のお仕事”とは
ここからは2歳児に適した“お仕事”の具体例をご紹介します。
「押す」お仕事
この年齢は、やたらとボタンやスイッチを押したがりませんか?我が家の息子も家じゅうのスイッチを自分で押さないと気が済まないようで、大人が押そうものなら「ぼくが!ぼくが!」と声を荒げます。おうちのスイッチを押してもらうのも良いですし、押し心地の良さそうなボタンやスイッチのついた専用アイテムを100均で探してみるのもアイデア。これならひたすら押す作業に没頭できますね。
「はがす」お仕事
シール貼りなども大好きな年齢。簡単そうに見えるけれど、指先を上手に使わないとできない作業でもあります。様々なテープの類をはがすのも興味津々。マスキングテープであればサイズ感もちょうどよく、おうちの中にべたべた貼ってもダメージがあまりなくて済みますよ。
「拭く・絞る」お仕事
子どもがすぐ手にとれるよう決まった場所に雑巾を用意しておくと、飲み物などこぼしてしまった時にも自分で拭けるように。スポンジ等でも代用できます。
「運ぶ」お仕事
食事の準備を手伝いたがるお子さん、いませんか?うちもそうです。汁物なんか運びたがると見ている側はもうドキドキしてしまいますが、集中力や慎重に取り組む姿勢が鍛えられる作業ですよね。子どもの運びやすそうなサイズや形状のお盆を用意してあげると良いかもしれません。
「お料理」のお仕事
ママの台所仕事を眺めたり、おままごとに取り組んだりと料理にも関心の高まる時期。手先が器用になってきたら、きゅうりやバナナを切ったり、卵を割ったり、玉ねぎの皮をむく等、色々なことができます。料理は見ている側はひやひやしますが、実は子どもの体験の宝庫。積極的にやらせてあげたいですね。
モンテッソーリ教育をもっと知りたいと思ったら
私もまだまだ勉強中の身ですが、モンテッソーリ教育のことがきちんとわかるおすすめの本たちをご紹介。どれもわかりやすく、実践に使えそうだなと思える内容です。興味を持ったらぜひさらに深めてみては?
モンテッソーリ教育ってなんだろう?2歳児のおしごととは?
いかがでしたでしょうか。
大人の生活環境をそのまま子どもが使うのは難しいもの。子どもサイズの椅子やテーブルを用意したり、子どもの年齢にあった環境を整えることで、親も子どももイライラせずに“お仕事”と向き合うことができます。
今しかない2歳の日々を、イヤイヤ期としてしまうか、倫理や秩序を身に着ける貴重な時期とみるかによって、子どもへの向き合い方も変わってきそうですよね…。モンテッソーリの教育法をヒントに、子どものやりたい!に寄り添った環境づくりを大人も楽しみながらできたら良いですね。